
画像:Wikipediaより
今までの記事と毛色が変わりますが、いまニュースで話題のカルロス・ゴーン氏。
日産の最高経営責任者(CEO)でしたが、逮捕された事はご存知の通り。
実際の役員報酬額よりも少なく見せかけた額を
有価証券報告書に記載していたことが逮捕の発端となっています。
庶民としては、その年収額がどの程度なのかも気になるところ。
カルロス・ゴーンは日産と三菱合計でどのくらいの年収を貰っていたの?
まずは、カルロス・ゴーン氏の日本国内分の役員報酬(年収)から。
東京商工リサーチによると、以下の金額が発表されています。
2010年3月期 8億9100万円
2011年3月期 9億8200万円
2012年3月期 9億8100万円
2013年3月期 9億8800万円
2014年3月期 9億9500万円
2015年3月期 10億3500万円
2016年3月期 10億7100万円
2017年3月期 10億9800万円
2018年3月期 9億6200万円
(※2018年分内訳:日産自動車分が、7億3500万円。三菱自動車工業分が、2億2700万円)
なぜ2010年からかというと、上場企業における
1億円以上の役員報酬の開示制度が始まったのが、2010年からだからです。
公表されている期間ずっと、1億円以上の役員報酬を
得ていたことが、このデータからもよくわかります。
2017年までは、日産単独(日本国内に限定しての金額です)での役員報酬ですが、
2018年、日産の傘下に収めた三菱自動車工業からも役員報酬を受け取っています。
そのため国内の年収は2018年3月期は2社合計で、9億6200万円となっています。
ただしこれは、日本国内に限った年収額です。
カルロス・ゴーンの総額年収は?日産と三菱、ルノーの合算額は…総額約19億に
カルロス・ゴーン氏個人としての全体の報酬額は、
仏ルノー社の最高経営責任者(CEO)としての役員報酬も加算されます。
ルノー社はフランスの自動車大手メーカー。名門と言われるメーカーです。
ルノーからの報酬額は、740万ユーロと言われています。
日本円に換算すると、約9億5000万円の役員報酬を
受け取っていたと報道記事もダイヤモンド・オンラインから出ています。
日産自動車と三菱自動車工業、
フランスのルノー社からの報酬740万ユーロ(約9億5000万円)を合わせると、
カルロス・ゴーン氏の年収は3社合算で、総額約19億円となります。
低い低いと本人が言っていましたが、合算の場合で考えれば、
世界標準額と言っていいかと思われます。
・・・ただし、有価証券報告書への記載が低かった事を考えない場合となりますが。
カルロス・ゴーンとはどんな人物か
カルロス・ゴーン氏(Carlos Ghosn、1954年3月9日誕生)は、
フランスの自動車会社ルノーの取締役会長兼CEOであり、
日産自動車の前会長・社長、三菱自動車工業の前会長。
ルノー、日産自動車、三菱自動車工業の株式の相互保有を含む、
戦略的パートナーシップを統括する「ルノー・日産・三菱アライアンス」の
社長兼最高経営責任者(CEO)を兼務していました。
逮捕後、日産のCEO職は解任されています。
フランス、ブラジル、レバノンの三カ国の国籍を持っていますが、出生はレバノン人です。
実業家の父はレバノン系ブラジル人、母はレバノン系フランス人。
レバノンの高校を卒業後、フランスに移住し経済学の修士号を取得。
1978年タイヤメーカー大手のミシュランに入社、
工場長などを経て、1985年にミシュラン・ブラジルのCOO(最高執行責任者)に就任。
1989年4月ミシュラン・ノース・アメリカの会長兼CEO(最高経営責任者)に就任。
その後ヘッドハンティングで、1996年ルノーに入社し、
ベルギー工場閉鎖などのリストラで腕を振っています。
1999年6月日産自動車とルノーの資本提携で、
倒産寸前といわれた日産自動車のCOOに就任し、
業績をV字回復させたことで有名になります。
様々な名言を放ち、自身で書籍も出しています。
名言だけを見たら、しっかりした印象を受けるのですが・・・
フランスにあるパリの自宅の近所の方の話では、
「無愛想で挨拶もしない」とのこと。
ご近所の評判は、あまり芳しくなかったようです。
石造りの6階のマンションに住み、帰宅時はボディーガードが付き添っていたとのこと。
長く外出するときは雨戸を閉めるそうですが、
逮捕前に出掛けたときは閉めていなかったことから、
そのご近所さんの話では、「きっとすぐ帰るつもりだったんでしょうね」という話です。
気になる、その高額報酬の使い道
さて、どのような使い方をしていたかでも、
お金持ちとしての印象は変わってくるかと思います。
これで慈善事業に大きく参画していたのであれば、
少しは印象が違ってくるのですが、残念ながら
「世のため人のため」とは言い難い使い方をされていたようです。
いちばん有名な使い道としては、自分の結婚披露宴パーティを、
ベルサイユ宮殿の大トリアノン宮殿を借り切って行ったことが知られています。
華やかな18世紀の頃の雰囲気を出す演出として、
俳優に当時の貴族の姿を思わせるドレスを着せ祝ったそうです。
インドの実業家が同じように、娘の結構披露宴に宮殿を使用したそうですが、
その時は75億円の費用がかかったそうです。
なので同程度の額が使われたと言われています。
で、ここまでは良いのですが・・・
その他の面で、やや難ありとみられる出費をしていると報道が出ています。
- ブラジル、レバノン、フランス、オランダに自宅となる住宅を購入、または借りています。
この4カ国に関連会社を作り、日産に60億を用意させ、そのお金で別宅を使っていたという話も出ています。
この関連会社は実際には業務をしていないペーパー会社とのこと。 - 家族との旅行代金も日産に出費させ、その額数千万。
- 会社持ちで600万もするヨットクラブの会員権を取得。名義を後から変更。
- 働いていない姉に給料を支払い、ブラジルに姉の家も購入。
話が出ている分だけで、こんな量になるとは驚きです・・・(苦笑)
お姉さんの件については、これが完全なポケットマネーであれば、
家族思いの美談にもなるのですが。
会社の金を私的流用して、家族に家を買っても、
結果的に家族が不幸になるだけです。
離婚した前妻の方からは、「金に汚い」と罵られてしまっています。
こういう時に身内側から罵られるというのは、
なんというか・・・哀れですね。身から出た錆なんでしょうけれども。
週刊文春がカルロス・ゴーン氏の前妻に取材した記事でも、
「おカネに関しては、カルロスは正しいことをしたことがありません。
高額な所得を隠すために、色々なことをしていた。
今回の逮捕は、彼のような人間には当然の結果だと思います」
というコメントが出されています。
前妻については、カルロス・ゴーン氏による
DV記事が週刊誌に掲載されたことでも有名です。
まとめ
お金は儲けてもいいけれど、正しく使うべきだと、強く実感してしまいした(苦笑)
胸を張れない事をしていると、上手くいって油断し切った時にこそ、足元を掬われます。
お金は経済の血液ともいわれますし、
ビジネスの才能のある方はお金儲けはどんどんしていいのです。
それが周りの人間の生活をも潤すことにもなります。
経済=生活ですし、その人の才能であり役割であり、仕事ですから。
ですが、後ろ暗い事をして良い道理にはなりません。また、人の口に戸はたてられないとよく言います。
司法取引をしたと報道のある幹部とは、秘書室長の方だそうです。
よほど快く思っていなかったか、罪悪感によってなのかは分かりませんが、
たとえ億単位の金があっても、他人は完全に思いのままにはならないということですね。
後ろ暗い事をしていると、転落人生に陥った時にどんどん暴かれます。容赦なく。
気をつけたいものです。