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京都の手まり唄「丸竹夷」についてトップ


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以前運営していたネタバレ掲示板等にて、非常に質問数の多かった物なので、特別に、コーナー作ってみました。
主に、旧ネタバレ掲示板にて、ユマさんより解説いただいた物を、許可を頂いて転記させていただき、少々蛇足をくわえたコーナーです。

管理人は、関東出身&在住ですので、詳しいことは分かりません(^^;)

補足が必要な部分が有れば、「問い合わせページ」より、
お教えいただければ幸いです。

(情報提供:ユマさん、吉良伊玖磨さん)


映画に登場した手まり唄「丸竹夷」

映画で歌っていた歌詞

 丸 竹 夷 二 押 御池
 (まる たけ えびす に おし おいけ)

 姉 三 六角 蛸 錦
 (あね さん ろっかく たこ にしき)

 四 綾 仏 高 松 万 五条
 (し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう)

 雪駄 ちゃらちゃら 魚の棚
 (せった ちゃらちゃら うおのたな)

 六条 七条 とおりすぎ
 (ろくじょう ひっちょう とおりすぎ)

 八条こえれば 東寺道
 (はちじょうこえれば とうじみち)

 九条大路で とどめさす
 (くじょうおおじで とどめさす)

各通りの名前

歌の順番に、通りの名前を羅列すると以下の通りになります。

丸太町通→竹屋町通→夷川通→二条通→押小路通→御池通→
姉小路通→三条通→六角通→蛸薬師通→錦小路通→
四条通→綾小路通→仏光寺通→高辻通→松原通→万寿寺通→五条通
雪駄町通(現・楊梅通)→鍵屋町通→銭屋町通(現・的場通)→魚の棚町通(現・六条通)→
六条通→七条通→
八条通→東寺道→
九条通

補足

映画本編では、夷が「えびす」と歌われていますが
通常、「えべす」と読まれることが多いです。

ちなみに、「ちゃら・ちゃら」は、鍵屋町通り並びに、
銭屋町通り(この名の通りは現存せず。今は的場通りの事を言います)の事を指しています。

この歌の場合、現在の京都の通りに準じた物になっています。
ただし後半部分は、かなり通りの名が省略されてるそうです。

本当ならば、昔の大路の間には原則として三本の小路があるらしいのですが(現在の五条はかつての五・六条の中間に移転)、
六・七・八…とほとんど条がつく通りだけになっているとのことです。

十条通有りバージョンの手まり唄「丸竹夷」(明治以降の物)

歌詞

 丸 竹 夷 二 押 御池
 (まる たけ えべす に おし おいけ)

 姉 三 六角 蛸 錦
 (あね さん ろっかく たこ にしき)

 四 綾 仏 高 松 万 五条
 (し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう)

 雪駄 ちゃらちゃら 魚の棚
 (せった ちゃらちゃら うおのたな)

 六条 三哲 とおりすぎ
 (ろくじょう さんてつ とおりすぎ)

 七条こえれば 八・九条
 (ひちじょうこえれば はちくじょう)

 十条 東寺で とどめさす
 (じゅうじょうとうじで とどめさす)

各通りの名前

歌の順番に、通りの名前を羅列すると以下の通りになります。

丸太町通→竹屋町通→夷川通→二条通→押小路通→御池通→
姉小路通→三条通→六角通→蛸薬師通→錦小路通→
四条通→綾小路通→仏光寺通→高辻通→松原通→万寿寺通→五条通
雪駄町通(現・楊梅通)→鍵屋町通→銭屋町通(現・的場通)→魚の棚町通(現・六条通)→
六条通→三哲(現・塩小路通)→
七条通→八条通→九条通→
十条通

補足

映画で使われた、最新バージョンの「丸竹夷」と違い、
実際の通りの並びとは、少々違います。
(このため、映画の鑑賞者が変に混乱しないように、
 コナン映画では、あの手まり唄になっているのだと思われます)

この歌詞に出てくる「三哲」は塩小路通のことで、場所は七条通と八条通の間になります。
こちらの歌詞では「東寺」が東寺道を指すのか、東寺のお寺自体を指すのか曖昧。
十条通というのは明治の頃に作られた新しい通りであり、
この歌は、明治以降 自動車が通るように道路を再整備した後の歌詞とのことです。

※2008/12/04追記&修正
なお、当時の掲示板では、こちらの歌に馴染みがあるという方が、
圧倒的でしたが、在住する地域によっても違うらしいとの証言もあり、
また、こちらの歌には馴染みがないという方もいらしたため、
表記を少し変更しておきます。

明治以前の、昔の雰囲気をとどめる手まり唄

歌詞

 鞍や寺 上立五つ 今や元
 武一 中立 長者三通り
 出水下 椹木
 丸竹夷二 押御池
 姉三六角 蛸錦
 四条綾仏 高辻や 松万寿に
 五条雪駄屋 魚の棚
 珠数二筋万年寺 
 七条越えて 通り道なし

通りの名前

鞍馬口通→寺之内通→上立売通→五辻通→今出川通→元誓願寺通→
武者小路通→一条通→中立売通→上長者町通→中長者町通→下長者町通→
出水通→下立売通→椹木町通→
丸太町通→竹屋町通→夷川通→二条通→押小路通→御池通→
姉小路通→三条通→六角通→蛸薬師通→錦小路通→
四条通→綾小路通→仏光寺通→高辻通→松原通→万寿寺通→
五条通→雪駄屋通→魚の棚通→
上珠数屋町通→下珠数屋町通→万年寺通→
七条通

 

「丸竹夷」以外の通り歌「寺御幸」について

あと、「弁慶の抽斗」を探すのに口にしていた
縦(南北方向:東から西へ)の通り歌「寺御幸」の続きは、以下の通りです。

歌詞

 寺 御幸 麩屋 富 柳 堺
 (てら ごこ ふや とみ やなぎ さかい)

 高 間 東 車屋町
 (たか あい ひがし くるまやちょう)

 烏 両替 室 衣
 (からす りょうがえ むろ ころも)

 新町 釜座 西 小川
 (しんまち かまんざ にし おがわ)

 油 醒ヶ井で 堀川の水
 (あぶら さめがいで ほりかわのみず)

 葭屋 猪 黒 大宮へ
 (よしや いの くろ おおみやへ)

 松 日暮に 智恵光院
 (まつ ひぐらしに ちえこういん)

 浄福 千本 はては西陣
 (じょうふく せんぼん はてはにしじん)

通りの名前

寺町通→御幸町通→麩屋町通→ 富小路通→柳馬場通→堺町通→
高倉通→間之町通→東洞院通→車屋町通→
烏丸通→両替町通→室町通→衣棚通→
新町通→ 釜座通→西洞院通→小川通→
油小路通→醒ヶ井通→堀川通→
葭屋町通→猪熊通→黒門通→大宮通→
松屋町通→日暮通→ 智恵光院通→
浄福寺通→千本通→西陣(地名)

※ 最後の「西陣」は西陣織で有名な地域の地名です

丸竹夷の番外編

おまけで、丸竹夷のストーリー・バージョン(?)。

歌詞

 坊さん頭は 丸太町
 つるっとすべって 竹屋町
 水の流れは 夷川(えべすがわ)
 二条で買うた 生薬(きぐすり)を
 ただでやるのは 押(惜し)小路
 御池で出逢うた 姉三(あねさん)に
 六銭もろうて 蛸買うて
 錦で落として 四(し)かられて
 綾(あや)まったけど 仏々(ぶつぶつ)と
 高(たか)がしれてる 松(ま)どしたろ

*「まどす」…弁償する

補足(発売されているCD等)

迷宮の十字路で主に出てきた手まり唄は、
通称、丸竹夷<東西の通り名の歌>です。
京都の民謡などが入っているCDでも、
大抵「丸竹夷」の曲名で収録されています。

映画パンフレットにて、大野さんも仰るように、人から人へ語り継がれてきた物なので、
歌詞やメロディーが、その場所その場所で、違う場合があるようです。
実際、ネットで調べてみても、「雪駄」が「せきだ」と「せった」だったりとか・・・

ちなみに、引き出しを探す際に、「丸竹夷」以外に呟いていた歌が有りましたが、
あれは通称、寺御幸 <南北の通り名の歌>です。

また、この歌が収録されているCDが幾つかあります。
その中で、品番や値段がハッキリしているのが、

「京の通り名の歌 -都の歳事記とわらべ歌-」(品番:MISH-0502) 1500円。
歌:あいりす児童合唱団、 監修・解説:高橋美智子。全26分。

迷宮の十字路にて出てきた「丸竹夷<東西の通り名の歌>」と、
「寺御幸 <南北の通り名の歌>」を収録しています。
京都の大きいCDショップなどで、売っているそうです。
 

おまけ:江戸時代の通り歌

またユマさんより、江戸時代 近松門左衛門の 『堀川波鼓』に描かれた
五七調の通り歌についても、ご報告いただきましたので、追記させていただきます(^^)

「寺、御幸(ごこう)、 麩屋、富、柳、堺町、
間(あい)の、東は玉敷(たましき)の、
御垣(みかき)に囲ふ五つ緒の
車、烏丸(からすま)、両替(りょうが)、室(むろ)、
衣(ころも)、新(しん)、釜、西、小川、
油、醒ヶ井(さめがい)、堀川の
岸の平砂を白波に~…[以下 物語が続いていく]」

「玉敷(たましき)の御垣(みかき)に囲ふ五つ緒の」
は、「車」に係る序詞にしてあるそうです。

解説文によると、近松の脚本の元ネタに
なったのは、歌と言えば歌ですが、
三十一文字の和歌仕立てに詠まれている
この二つの短歌だそうです。

「寺 御幸、麩屋 富 柳、堺町、
  相の東に、車 烏丸」
「両が室、衣 新 釜、西 小川、
  油 醒ヶ井、葭屋 猪熊」



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海月くらげコワレ処管理人

投稿者プロフィール

コワレ処管理人。群馬県在住の社会人。工藤フリークな平次と、萩松好き。コナンサイトは2000年1月2月より運営。コナン、タイバニ、ガンプラ、文具好き。ワタル・トルーパー世代。ほしいものリスト

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