■The Twelfth Card (Lincoln Rhyme Novels)
下半身不随の人気捜査官、リンカーン・ライムが帰ってきた(『The Vanished Man』以来)。この強烈なスリラーで、ディーバーはエンターテイナーとして衰えを知らない筆致を見せている。とはいえ偉大なエンターテイナーであっても出来不出来はあるもので、この小説も決して飽きさせることはないが、著者の最高作には及ばない。16歳の黒人少女ジェネバ・セトルは、マンハッタンの図書館で、奴隷時代に重大な秘密を隠し持っていた先祖について調べていたところを襲われる(秘密は本の最後まで明かされない)。まずライムの恋人でアシスタントのアメリア・サックスが、続いてライムが駆り出されるが、事件は間もなく血なまぐさい展開を見せる。ジェネバを狙っているのは冷血な白人の殺し屋と、黒人の元詐欺師。しかし彼らの正体はわかったものの、その動機は判然としない。この元気のいい勉強好きなハーレムの少女に死んでほしい理由が、どこにあるのか? この謎を解くため、ライムはいつものことながら、自分とサックスの強みである証拠分析に頼る。まず冒頭から、ジェネバ最初の襲撃で残された証拠を綿密に分析する、長々とした描写を中心に読ませる。また2,3章おきに、集められた証拠のおさらいが繰り返される。ディーヴァーはこれでもかというほど筋にひねりを加えており、そのひとつひとつに十分な根拠が与えられているが、それがゆえに、また証拠分析が強調されるがゆえに、全体に頭でっかちになっている印象が否めない。 ジェネバという素晴らしいキャラクターが物語を感情で彩るほか、他の登場人物たちは小さな個人的クライシスを経験したりもする。しかし焦点が警察による捜査からアメリカの歴史、死刑の方法、最後のひねりへとずれていくに従い、物語は美しい調子を崩してしまう。それでもなお、この本は今年もっとも活力あるスリラーといえるし、重要なベストセラーになるだろう。 .
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: 戦いは今も昔も変わらない、敵が見分けづらくなっただけ リンカーン・ライム・シリーズは、毎回事件が起こる場面設定がまったく違いま す。今回はニューヨーク、ハーレムが舞台になっています。時代はさかのぼり約 140年前の南北戦争終結後から1920年代のニュー・ニグロ・ムーブメント、いかに 汚い言葉で相手を罵しるかを戯れに競う“スナッピング”公共物にスプレーで落 書きをする“バブルレター”などの黒人カルチャー、アフリカン・アメリカン 日常会話“AAVE”、ハーレムの貧困や荒廃した高校生の日常生活が丁寧に、 またいきいきと描かれていました。そうしたアフリカン・アメリカンのカルチャー は本作品を読むまで関心を持つこともなかったと思います。ディーバー自体もそ れほど詳しくない状態から徹底した取材をして、ディーバー自身の視点でストー リーに書き込んでいるので、ハーレム、ブラック・カルチャーが非常にわかりや すく理解できました。 ストーリーはハーレムの女子高校生が理由もわからず殺し屋から命を狙われるの ですが、彼女がなぜ命を脅かされなければならないかが、ひとつのテーマになっ ています。そして殺し屋から被害者を保護するために、「コフィン・ダンサー」 に登場以来シリーズ常連のローランド・ベルも活躍します。情報とストーリーの バランスは非常に難しく情報が多すぎても雑多になってしまいますし、少なけれ ばリアリティがなくなる。今回はアメリカン・アフリカン・カルチャーの描写に 力が入って活劇部分があっけなかった印象を受けました。 しかし縦糸にあたるライムの苦悩やサックスを含める仲間の危機もしっかり描か れていますしシリーズを読んでいる方なら楽しめたのではないでしょうか。逆に 本作品だけを読んでもシリーズの面白さは、十分伝わり難いのではと思いました。 湘南ダディは読みました。 重度の身体障害をもつNYPDの元科学捜査部長、天才的な推理力をもつリンカーン・ライムシリーズの第6作。この皮肉屋ライムの手足になるのが拳銃の名手でスピード狂のおなじみ女刑事、アメリア・ザックスです(動けないライムの手足になるのだが膝痛もち、愛車は69年式黄色のカマロスーパースポーツ、375HP 6600ccを450HPにチューンアップしてあります) 加えるにザックスの同僚で今回は目の前で無実の人間がむざむざ撃たれるのを阻止できなかったことで自信喪失してしまうロン・スティリト、ちょっと出で第5作イリュージョニスト―魔術師(文藝春秋 こいつは面白かった)にでてくる女性マジシャンなど登場するのですが、シリーズものながらこの1作だけを読んでもストーリーに入っていけると思います。それぞれ常連さんの人間味は肉付けされているものの登場人物間の関係よりも、ストーリー展開がにぎやかでそちらを追って行くのがメインのお楽しみになっているからです。お話はハーレムにある高校の生真面目な黒人女子高生ジェノバ・セトルが自分のルーツを図書館で調べているところを襲われそうになるところからスタートします。この優等生さん、いろいろ理由はあるのですが殺人鬼に狙われているにもかかわらず、なんとしても登校して試験を受けようとします。そしてこの作者特有のヒネリ方で2転3転どころか、複雑にしすぎている感もある位に4転5転します。 さてライムとザックスの二人は今後どうなるのでしょう。このシリーズの最初のころはライムの不自由さの反対を象徴するものとして寝室の窓のそばに巣をつくっているハヤブサの夫婦が描かれていました。今回はこの夫婦に生まれたヒナ達を真夜中に、ライムが脇で寝ているザックスの穏やかな寝息をききながらしんみり眺めているところで物語りがおわり、二人のこれからの人生について少しハッピーな暗示がされているように思いました。 靴にゴムまいて鑑識しろ!と火サスに突っ込んでしまった。 鑑識中の事故で半身不随になった天才科学捜査官リンカーン・ライム。 ベッドに縛り付けられながらも現場から回収した微細証拠物件から犯罪の詳細を特定し犯人を追う、というのがこのシリーズの基本型。 毎回のことながら、驚かされるのはライムの(そして作者の)博識ぶり。 ズボンの折り返し部分に付着していた土から犯行現場を特定したり、透明な液体から犯人像をプロファイルしたり…。 このシリーズを読み出してから、2時間サスペンスなんてとても見れなくなった。 なんとなればライムに比べて、テレビの犯人や警察はガサツすぎなもので。 本書の読みどころは、シリーズではお馴染みになっているどんでん返しや、個性豊かな登場人物達の掛け合いもさることながら、犯人に狙われる少女ジェニーバのひた向きな向上心が上げられると思う。 必死に生き、周囲を欺いてでも悪環境から脱出しようとしているジェニーバの姿は切なく、ついつい応援したくなってしまう。 魅力を上げればきりがない本書。シリーズとしては避けられない壁である「マンネリ」が見えてきているとの声もあるようだが、二転三転するストーリー、読者を裏切る真相がマンネリするならそれもいいと思う。 少なくとも私は毎回裏切られることを期待して、このシリーズを手に取っている。 シリーズ一の駄作 過去これほど魅力のない犯人はいなかった。 そもそも、重要犯罪ばかり取り扱っていたライムがどうしてこんな瑣末な事件を 取り上げたのかが疑問。そういった不安をよそに物語りは展開していくが、 結局なんの盛り上がりもないまま結末へ。 「石の猿」から期待はずれが続いたので、もう次回作は買うのよそうかとも 思ってしまった。 やっぱりおもしろい いつもこれだけは最後まで買おうと決めているのに発売に気づかないのでこのくらい遅れてしまうけど・・・。やっぱり面白いです。 例えば、これがホームズのようにずっとあとまで読まれるかといわれたら正直わからない。でも、現在でている作品の中ではトップレベルだと思います。面白くしようとして二転三転させるのは誰でも思うことですが、そこにある程度のリアリティがあるからすごいと思う。ただ、マンネリ感がでてしまうのは基本的にいつも二転三転する部分が「なぜねらわれる(た)か」だからかもしれない。 じゃあ、どうすればいいかといわれたら考えてしまうけど・・・。そろそろ最後までライムが失敗してしまうのもありかも・・・? でも、今回のように私が知らないアメリカが描写されるうちはキャラクターへの愛もあって読み続けてしまうと思う。 ただ、次回作への期待をこめて星4つ。 |
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