■Interpreter of Maladies
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その名にちなんで (新潮文庫 ラ 16-2) The Namesake 停電の夜に - Interpreter of Maladies【講談社英語文庫】 見知らぬ場所 (Shinchosha CREST BOOKS) Unaccustomed Earth ???9つの短い物語からなる短篇集。どの物語も読んだあとに、繊細な、人の心のひだに確かに触れたと思う感触と切ない余韻が残って、読後感がとてもいい。 ???登場するのは一旗あげるためにインドから米国へ移民してきた人たちで、著者ラヒリにとっては父母の世代にあたるインド系1世と、その子ども世代。だから物語はインドと米国の間を行ったり来たりしながら展開する。 ???さりげなく書き込まれる料理、スパイスのにおい、衣装や装飾、そして夫婦間のやりとりといった文化の機微のなかに、ひとりひとりの人物像が鮮やかに、しかし淡々とした筆致で描かれていく。どの物語にも共通するのは、インドにはあったけれど米国にはない濃密な人間関係、その喪失感とそのために起きる心の揺らぎや戸惑い、身の置きどころのなさといったものだ。 ???たとえば最初に出てくる「停電の夜に」は、初めての子どもを死産した夫婦が、停電の夜に秘密の告白を始める物語で、そのゲームで夫婦のすきまが埋まるかもしれないと期待して読んでいくと、あっけない幕切れを迎えることになる。そのほか、バングラデシュ独立戦争のテレビニュースを、その土地に家族を残してきた客と見た少女時代の思い出「ビルザダさんが食事に来たころ」や、米国から子連れでインドへ観光旅行にやってきた倦怠期の夫婦をタクシー運転手が案内する「病気の通訳」、登場人物を絡ませながら2つの不倫を正反対の立場から巧みに描く「セクシー」など、いずれも男と女のすれちがう感情や考え方が、しなやかな、しかも抑制の利いた文章でつづられている。 ???著者ジュンパ・ラヒリは1967年ロンドン生まれの米国在住の作家。カルカッタ出身の父親は、本書を締めくくる「三度目で最後の大陸」の主人公のように、大学図書館に勤めていたという。このデビュー作でO・ヘンリー賞、PEN/ヘミングウェイ賞など数々の賞に輝き、ピューリッツァー賞まで受賞した期待の新人である。(森 望) .
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: インド的スパイス 著者の、出世短編集。 著者は、両親がインド人らしいが、アメリカで執筆しており、インドに住んだ事は無いらしい。 それでも、どの作品にも、インド出身の登場人物が配され、中には、インドを舞台とした作品もある。 この、インド情緒に加えて、変化の少ないストーリーの中に、著者の民族意識の「叫び」を感じる事が出来る。 表題作で、停電の夜に、蝋燭のもとで、自分の暴露話の応酬を始める夫婦は、ともにインド出身だ。 だからといって、作品とインドとは、直接には関係が無く、インド色がほのめかされる。 表題作は、読者の思惑が、あっけなく裏切られて、特に印象に残る。 どの短編も、面白いのではあるが、読者を選ぶかも知れない。 本短編集に、躍動的なストーリーを期待しない方が良い。 それよりも、しみじみと味い深いのである。 インド的(民族的)スパイスに加えて、日本語翻訳も巧みだ。 じっくりと、味わう事が出来る。 中毒になる作家さん 「その名にちなんで」を読んでから、ジュンパ ラヒリに興味を持ち、この本を手に取りました。どの話も、さしてスリリングな展開があるわけではありません。けれど、登場人物の語り口が新たな人との出会いや別れを、鮮やかで特別な日々として浮かび上がらせてくれます。 この短編集の中で、私が一番印象に残っている話は、「本物の門番」です。何気ない日常を切り取ることの多いこの短編集の中では、比較的しっかりした結末がある話です。また、話に移民でないインド人しか出てこないところも珍しいです。この話では、物語の最初から様々な伏線によって主人公の老女の人生が転落させられていきます。どんな辛い環境でも、柔軟に生きてきた老女が、結局は偶然の連鎖による予想ができない不幸に飲み込まれる姿は、思い出すだけで涙が出そうになります。作者の観察眼による転落劇の過程の一つ一つが、ただの悲劇以上に老女の人生の哀れを強調していて胸に残り続けます。 冴える日常の洞察力 前評判などを全く知らずに読んだ本書。 話の中に時折出てくる「日常」のふっとした瞬間と、主人公の気づきがとても新鮮な短編集。 なんでもないけれど、とても普通の日常を鋭く描いた作品だと私は思います。 通勤電車でも読みやすい短編集!! これからも大切に読んでいきたい1冊 インド系2世アメリカ人、ジュンパ・ラヒリが、自分のルーツへ敬愛と愛情をこめた短編集。 インド系アメリカ人の物語を軸に、9つの物語で構成されているが、そのどれをとっても共通の抑制のきいた端正な文章もまた、印象的。 インド系2世同士の結婚の行く末をテーマにした第一話と、アメリカという土地で自分の道を切り開いてきた移民1世達に対するオマージュ、の第9話。この2話が特に印象的といっている人が多いようだ。個人的にも、9話めの、『3度目で第3の大陸』を非常に気にいっている。 それにしても、9つ全てに漂っているインド文化の薫りは、時にはっとさせられる 『これってアメリカで起きてることなんだ。』 って。 つまり、アメリカ文化の周縁でインド文化がこんなにも根付いているって事に気づかされる。 白人と黒人の対立構造とは違った次元でインド文化という衣を羽織って生活してる人がいるって事実に(当たり前のことかもしれないんだけど)、そしてその文化の深淵さに驚いてしまう。 そのいい例が、この本のひとつの特徴でもある料理の描写。覚えきれないくらいたくさんの香辛料を使ったインド料理は、毎日繰り返される。 それは、日々繰り返される日常であるがゆえに、 1年が365日ある分だけ、その深淵さははかりしれないものがある。おそらく、そんな風にアメリカという土地でインドの文化は根付いていったのだろう。 本当にこの本を吟味できる人達は、もしかしたらインド系移民に限られているのかもしれない。 でも、自分としては文化を紡ぐということに想いを馳せながら読むことが楽しい。 そして例えば第1話の様に、異文化で起こる夫婦間のできごとに普遍性をみた気になっていたりもする。 大学生の頃に読み、読書ってこんなに楽しいものか、と思った。 それから6年間原書、和書、ともに繰り返し読んでいる。 読むたびに心地よい。 きらきらしてる、1冊。 合わなかった。。。 観察力がものすごくて、短編でありながら、その“場”の雰囲気が自分がそこにいるかのように感じられてきます。 ですが、個人的には合わなかったかなと。翻訳の文章にも馴染みがたかった... 一つ一つ、何が起こるわけではない、でもちょっとした出来事にからむ人の心の機微、みたいなものが描かれているのですが、その出来事がとても中途半端に終わっているような、まだ、主人公たちはその出来事のなかにいるのに、その後の方向性もなしに物語が終わってしまうような感じが、どうももどかしくってなりませんでした。 そこがよさの一つなのだと思うので、やはり合わなかったということです。 ですが最後のお話はそういう意味で、中途半端でない印象を持ちました。これにはじんと来ました。 あくまで、個人的な感想です。 どなたかの参考になればと思い、レビューを書きました。 |
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