■闘う経済学―未来をつくる「公共政策論」入門
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: 改革の重要性 経済学を実際の政策の中で役立てるための処方箋。実際の政策概要はもちろん、実現のためのプロセス作りから閣僚時代のエピソードまで幅広く読ませる内容だ。経済学の部分については、一般読者を想定してわかりやすく説明してあるため、改革入門書としても最適である。郵政民営化、財政再建など個別の政策についてより詳細な情報を得たければ、氏のブレーンでもあった高橋洋一氏の著作などを読むことをおすすめする。 それにしても、既得権しか眼中にない国会や霞ヶ関の実情には驚きあきれるばかりだ。まともな政策的批判もできず、メディアと一緒になって煽るしか能のない野党も同じ。そんな中、不良債権処理、郵政民営化といった一連の改革を実現した小泉政権には頭の下がる思いがする。 失われた十年とは、痛みを追うことを嫌った老人たちが、時代遅れのケインジアンや社民主義者になりすましてツケを先延ばしたことが原因である。後には膨大な借金と変わらぬ構造的問題だけが残った。我々が次に何をなすべきか、真面目に興味のある人間なら、本書は目を通しておくべきだろう。 私は”すごく面白い”と思った 多分、評価の分かれる本だと思う。私はすごく面白いと思った。 普段から意思決定の大切さを認識し、その結果に責任を負っている立場の人間には読み始めたら止まらなくなる面白さがある。小泉改革のストラテジストとして、結果を得るためにどう問題を捉え、戦略を立案し、結果を得るかについて経済学的な見地とそれ以外の見地の両面で書かれている。 公共政策をドメインとしている様だが、企業や投資における意思決定にも役立つはずだ。枝葉の部分は小泉内閣での個別具体的な記載内容が多いが、骨格の部分は意思決定や何かを為すための本質的な真理に貫かれている。 意思決定や組織で何かを為すことに興味を持っていない人は読む価値は無いので別の何かに時間を費やすことを勧める。恐らく、その様な人は読んでも全く面白くないはずだ。 また、経済や政治、ちょっとばかりの数学の知識を有する人が想定読者になっていると思われる。少なくとも日経新聞程度が読みこなせる知識が必要に思う。 多々疑問あり 1.「失われた10年は(金融機関や企業の)経営の失敗」としているが,バブルの成長と崩壊は戦後の日本人が信じた土地神話が根本原因であり,1500兆円にのぼる債務は経営の失敗といった次元のものではなかろう. 2.民間企業が一斉に債務返済に走ったため資金需要が激減し,平時の経済学や金融政策が機能しない状況に陥った訳だが,その認識がない. 3.国債の残高が増え続けると金利が急騰する危機が来ることを心配して財政再建が急務としている.長期的には正しいが,現状では資金需要がないために金利上昇の兆候が出ておらず,依然財政出動を必要とする段階にあるのではないか.1500兆円の債務の裏には儲けた人達もいるはず,また外国から借りていないので,景気が完全に回復した段階で日本人全体でどう消化するかという国内問題であろう. 4.図1.1により総需要管理政策が失敗と説明しているが,同図はタイムラグを考えればその反対にも解釈できる.これ以外には財政出動が景気対策として無効という自説を証明するデータはない. 5.公共事業のGDP比率によって過剰としているが,単純な外国との比較が適当でないのは食糧自給率と同じではなかろうか. 6.不良債権処理を竹中氏の功績のように書いているが,当初竹中氏は不良債権処理に公的資金を投入する政策に反対だったはず.また公的資金投入は一種の財政出動であることをどう考えているのか. 等々基本的な疑問が多い.小泉竹中コンビは謬った経済学的仮説により日本経済の回復を遅らせた責任者と思えてならない. 経済学者の闘いの記録 題名からすると、何やら経済学の本のように見えるが、経済学的なことを書いてあるのはほんの一部で、竹中さんが大臣として小泉行財政改革を支えた時代の功績を淡々と紹介している。「経済学者の闘い」という方が正しい。年の功なのか、高橋さんの「さらば財務省」のようなギラギラ感はなく、スッと読める文体である。不良債権処理のこと、郵政民営化のこと、地方行財政改革のこと、経済財政諮問会議のこと、政府与党の政策決定プロセスのことなどがトピックごとにまとめてあることも読みやすさの一因だろう。中身で同感したのは、本書の中で繰り返し竹中さんが言う「戦略は細部に宿る」というフレーズ。つまり、いくら理想的な青写真を描いたとしても、それを実現するまでのプロセスまで含めて戦略的に考えなければ政策論にはならないということなのだが、霞が関には青写真を描く人は多けれど、その実行案を描き、そして実際に実行できる人材はほとんどいないということを暗に批判しているのだろう。この本の最後の20ページにそのエッセンスが書いてあるので、そこを読むだけでも本書の価値はあるだろう。 大変に勉強になった。 かりに優れた政策があったとしても、それを実行するには法的・民主主義的手続きを踏まねばならず、ために、どうしても政府の対応は遅れてしまいがちになる。多くの学者はその点を理解しておらず、そうした時間差を政府の怠慢に帰着させてしまう‥と著者は言う。また、30年経済・政策を研究してきた著者でさえ、大臣の職について初めて知った行政メカニズムもあるとも。大変に勉強になる本だった。 |
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