■私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: 各章扉にあるテレサ・テンの写真の推移に、胸を衝かれる。 先日読んだ故・米原万里の書評集が滅法面白く、そこで「名著」の太鼓判を捺されていたので読んでみた。感想は、どこか物足りない。 台湾のいわゆる外省人の家族に生まれ、中国との関係を強く意識して生き、しかし天安門事件を目の当たりにして中国の現体制に絶望し、精神のバランスを崩していく一人の女性歌手、という本書の構成は理解できなくもない。テレサ・テンが89年5月末、香港での中国民主化運動支援コンサートに参加する経緯は最大の山場で、この時の歌唱が付録CDに収められている。しかし私は、それでテレサ・テンという人間が腑に落ちた、という気持ちになれない。 CDにはテレサ・テンへのインタビューも収録されているが、率直に言ってこれは「聞きたい言葉」を聞き出すタイプのインタビューだと思う。著者は遠慮がちに、遠回しに、しかし誘導的に質問を差し出しているのではないか。本文中にも著者の想定する図式に収まりきらない彼女の言動が垣間見えるが、十分に展開されていない。そのためか、読後には「歴史に翻弄された」という受動性の印象ばかりが残った(因みに著者HPに本書への書評が再録されており、その中では共同通信社編集委員・岡田充氏の文章が私の疑問を比較的うまく言い当ててくれている)。 余計なことかもしれないが、かつて共産党員だった著者は雑誌・書籍の編集活動の問題から2度の査問を受け、最終的に党を除籍になっており、本書に登場する『北京青年報』の関鍵記者の運命と重なるものを感じた。また共産党絡みで言えば、米原万里の父・米原昶は共産党の衆議院議員だった人だが、著者の遠縁にあたり、祖父とは親しかったらしい(著者HPによる)。 テレサ・テン早分かり 2時間でテレサ・テンを理解するには非常によくまとめられた本だ。しかし、急死の原因について、失礼ながらこの程度の取材で「謀殺はなかった」と結論づけるのは、あまりに情報戦や漢民族社会に対する理解が浅すぎる。「スパイですか」と聞いて「スパイです」と答える諜報機関などあるわけがない。 彼女が台湾軍(国軍化したのは李登輝総統の政治的努力によって。当時はまだ「国民党軍」の色が濃かった)の宣伝協力者であった以上、当然、特殊任務を帯びた存在であり、つまりは中台情報戦の一端を担っていた広義のスパイということなのである。北京がどれほど彼女の言動をマークしたか調べてみればいい。 国民党にとっても強烈な宣伝塔であるその彼女が、天安門事件を機に「台湾独立」を口にするかも知れない心情となったことは、管理・監督する立場にあって、極めてまずい事態であったはずだ。 当時は、建設予定の台湾新幹線に対し、フランス中心の欧州企業が、日本の新幹線に対抗して猛烈な売り込みをかけていた時期であり、さらにはフランス軍艦の不自然な購入を巡って、台湾とフランスの軍民関係者10人数人が変死を遂げた「ラファイエット事件」の進行時期でもあるのだ。 この当時彼女がフランスに自宅を構えていたのも不自然だ。「フランス人の恋人」自体が偽装ではなかったのか?彼女の死後、その恋人の行方は判然としない。また急死当時、ホテルマンが「舌をかまないようにスプーンを口に入れた」というのも奇妙だ。私がホテルマンなら、周囲にふんだんにあるはずのタオルやシーツなどやわらかいものを丸めてかませると思う。彼女はスイートルームの常連という最上の客であったのだ。 私は、彼女が急死したチェンマイのホテル「インペリアルメーピン」の部屋も、死の直前に彼女が訪問したという国民党将兵の残留村も、すべてこの目できてきた。労作であるとは認めるが、肝心の最期の部分に関しての取材と、あっさりした結論は大甘というしかない。 テレサ テン十年目の真実 わたくしはテレサが最後は恋人の近くでなくなっててよかったと 思いました。 彼女の歌は兄が好きでかなりの量のcdをききました。 でも「だからお願いそばにおいてね今はあなたしか愛せない、、、 こんな詩だったでしょうか。歌う彼女はとても優しい女性だったのでしょう。 この本に書かれていることがそーであれば、やはり「歌姫」は早世してしまうのですね。 軍隊と一緒に活動する化粧のないほうが、ほんとうなんでしょうね。 でも、この本を有田さんが暖かい視線でかいているのがわかります。 デタラメだった謀殺説 本書を読んでテレサの死は喘息の発作によるものだった ことに納得した。 テレサが入管法違反で東京入管に1週間拘置されていた 記述には驚かされた。 付録の2インチCDにテレサが天安門事件に抗議して歌っ た「私の家は山の向こう」と著者とのインタビューが入っ ている。この歌がとてもいい。しかしこの2インチCDは アダプタを別途買わないと聞けないのが不便だ。 本書はテレサの経歴をざっと調べるには便利だ。 テレサのディスコグラフィーは付いていない。 テレサ・テンとアジア現代史 この本を手に取るまで私は、彼女の歌を除いて テレサ・テンという<歌手>についてはほとんど知らなかった。 没後10年という歳月を経て出版された本書は、その時の重みと、 今だからこそ冷静に振り返ることのできる彼女の実像に迫っている。 台湾で外省人として生まれ、 香港などいわゆる<中華圏>と日本で活躍、 中国本土にも多大なる影響を及ぼす彼女の存在は、 本人の意図とは全く関係なく、十分に政治的存在であった。 その彼女の足跡をたどることにより、 読者は東アジアの現代史をそのまま紐解くことになるだろう。 スパイ疑惑などセンセーショナルに採り上げるのではなく、 有田芳生氏の筆はきちんとした取材にもとづきながら むしろ淡々としている。だからこそ読後の余韻も深い。 |
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