■狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死 (中公文庫)
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: 現代が失ってしまった何か 森田勝のような人生を今の人々は歩むことは出来ないと思う。決して一流の人ではない。 K2で一次アタック隊に入らなかったが故に下山してしまった下りなどを読んでも、彼が 現代の社会で受け入れられるとは到底思えない。 でも、僕らはどんなに渇望しても森田のような人生は歩めない。そういう意味ではとても 幸せな人だと思う。本作は非常に良く出来た力作だが、登山用語を多発しており、初心者 には読むのが辛いかも、という視点でマイナス1点にさせて頂きました。 孤独、しかし人を愛すが故の孤独 お馴染みの佐瀬 稔(著)のシリーズ。 長谷川恒夫などシリーズを通して他の登山家が登場するので、合わせて読むと登山家の対比や登山家同士の葛藤ややり取りが垣間見れて面白い。 自分のやりたいことをやり抜きとおし、一見究極のわがままにも見える彼の行動。 しかし、彼はひたすら自分の夢に没頭していく。 それが故に周りからは反発をくらい、山岳会にもなじめず、自身の信念を曲げてまでも他人と折れ合うことを妥協できなかった男ではあるが、決して人が嫌いになって山の世界に入っていったわけではない。 若い頃は棘があり癖があったが、後年には人々のことを思い性格もだいぶ丸くなったことからも、そのことがわかる。 絶えず妥協をして生きている現代人にとって、どこかで忘れてしまった何か大切なものを教えてくれるようだ。 究極の求道者 『神々の山嶺』の羽生丈二(ビカール・サン)のモデルとなった森田勝の話。 究極の求道者といって差し支えないだろう。 その一方で、純粋すぎるが故に人を傷つけてしまうなど、幼稚ともいえる人間性も記されている。 スポーツを志したことがある人なら憧れるであろう妥協しない姿勢に憧れる。その反面、家族を持つ者としてはどうかという疑問も同時に湧く。このような人物がいたこと自体、スゴいことだと思う。 我慢できなかった人 1980年に山と渓谷社から出た単行本の文庫化。 稀代のクライマーであった森田勝の生涯をドキュメンタリー風に描いた一冊。森田の特異な性格がすごい迫力で描かれており、圧倒された。 森田は子どものような男だった。自分の好きなものにはのめり込んでいくが、嫌いなものはすぐに放り出してしまう。他人への気遣いなどは微塵もなく、自分の思い通りに行かないとすぐに拗ねてしまう。そうした性格は時に素晴らしい登山家を生み出す。しかし、やはり超一流にはなれないのだ。森田も栄光を掴むことは出来ず、悲劇の死を迎える。 人間ドラマとしての傑作だと思う。 とはいえ、身近に森田のような男がいたら、とても耐えられないだろう。 現代人の忘れ去った何か 森田勝は、我が身の不遇に対する怒りをぶつけるため、情熱の全てを山に賭ける。 その執念は、恐ろしいほど激しい。特に、「谷川岳滝沢第三スラブの積雪期初登攀」神話はすさまじい。 金銭的理由で山岳会の海外遠征に同行できない悔しさを晴らすために、登り尽くされた谷川岳のバリエーションルートの中から誰も見向きもしない危険だけのルートで初登攀を為す。 山以外での社会生活は困窮を極め、何人かの友人(ザイルパートナー)も去っていく。 激しく彼を突き動かしていた山への執念は、常人の想像を超えたものである。 |
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