■古事記の起源―新しい古代像をもとめて (中公新書)
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: 古代の伝承様式の再現 古事記、日本書紀、万葉集の通俗的な解説書をわりに読んでいるが、語り継がれてきたはずのこれらの先駆の物語・・多分本書に述べられている通り歌、特に儀礼歌の類で伝わっていたに違いない物語の復元という仕事は、考古文書の再現以上に困難な仕事と思えるが、それだけに興味と科学的な好奇心を誘う。 各神社・・あるいは仏閣に残っているかも・・の神事と祝詞と現在の宮中で行われている神事の詳細、公卿の日記等まだまだ残っている可能性もある。興味のある研究者が更に探求して本書の意図する内容を深めてほしい。私の生きている間は無理だと思うがこの種の研究の発展を切に祈る。 あくまで試論として 中国少数民族のフィールドワークをベースに、古事記の原始の姿を読み解こう、という本。 中国少数民族の歌垣の様子から、古事記に出てくる歌が実際に歌われた様子を再現するさまは非常に興味深く、ロマンをかきたてられる。 古事記のテキストの批評にも「なるほど」と思わせる部分が多い。 だが、鵜呑みは危険だろう。 こういった、別の文化からの類推で自国の文化を読み解くという試みは、脱線すると「日本語タミル語同系説」のようなトンデモに行き着くこともあるからだ。 本書にも「これは飛躍しすぎだろう」という論が散見される。 著者も言っているように、本書は停滞感のある古事記研究界に新たな視点を提供する試論として読むべきものだろう。 ただ、そのわりには著者の自負の強さが目立つ文章となっている。 また、文章はいかにも学者の文章という感じで読みにくい。 言いたいことをただ言っているだけで、あまり読者を意識しているようには思えない。 少々残念だ。 古事記のルーツを中国南部の少数民族に求めるが・・・ 古事記の伝統的な国語学・国文学的研究は行き詰っており、これを打開しなければならないという問題意識の下に、筆者は、中国南部の少数民族の無文字社会に、古事記との類似性を見出し、そのルーツを求めようとする。 その人類学的調査は大変興味深く、それはそれとして価値があるものだが、日本文化のルーツを中国南部にもとめるのは、「照葉樹林文化帯論」などがすでに唱えられており、特に目新しい言説ではない。 また、古事記神話との類似性を南洋系の神話に求めたり、北方アルタイ系の神話に求める研究もすでになされている。「いかに中国南部の文化が日本古代文化に似ているか」を論じているが、他の地域をさておいて「中国南部の文化のみが古代日本につながる」ということが完全に証明されているわけではない。 あくまで中国南部との関係を主張するならば、これらの研究との整合性をとらねばならず、要するに、いささか手厳しく言えば、本書による特に目新しい展開はなく、今後の研究の余地は大きく、筆者の主張はこれから検討されなければならない。 |
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