■ジェネラルパーパス・テクノロジー―日本の停滞を打破する究極手段 (アスキー新書 70)
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購入、もしくは詳細を知っている方など、一般のアマゾン利用者より寄せられた感想。 総合平均おすすめ度: 野口氏お得意の日本IT後進国論のアップデート 野口悠紀雄氏のお得意の日本IT後進国論をアップデートしている内容。IT業界の方であれば「何をいまさら」という話だろう(そういう内容のレビューも見受けられる)が、現実にこれが「いまそこにある危機」だということは、個人的には非常に理解できる(本書中で小生勤務先が酷評されたためであるが)。 まえがきに述べられているが、本書は「問題提起」が主題となっており、解決策までは提示がなされてない。そこに、読者はやや不満を感じるかも知れない。 著者自身がレガシーになってしまった?! この本は今年 7 月に出版されたばかりだが,その論点のほとんどは 10 年以上まえから指摘されていることである.IT がジェネラルパーパス (汎用) コンピュータにささえられた技術であることは,この本でもふれている 1960 年代に登場した IBM のシステム 360 以来である.日本の情報システムのおおくがレガシーである,つまりふるびたシステムをだましだましつかっていることも 20 年以上まえからである.日本の電子政府が「おもちゃ」だという指摘はもっとあたらしいが,ちょっとつかってみればわかる程度の指摘でしかない.そして,これらの問題点に対する解決策はあたえられていない.それでいて「日本の停滞を打破する究極手段」などという副題をつけているのはあまりにひどい. つまり,この本のもとになっている知識はだれでもすぐにしらべられる程度のものであり,結論 (になっていないむすび) もそうである.著者自身がもうレガシーになってしまったということだろうか? 異質な観点から見た、「IT社会論」 ちょっと、辛口評になってしまうのですが。 おもしろかった点は2点。 「ITは経済社会構造を反映する」という「GTP」という概念のお話。 それから、「米国の電子政府と比較して、いかに日本でいう 電子政府」ができていないか?を具体的に展開し、問題点を指摘している 箇所。 それ以外は、コンピュータ産業、ITとネットワークの歴史であり、業界雑誌や、 ウエブにある膨大な数の記事にも既出なので、特に本書の内容 が斬新なわけではない。ほかの書籍やネット、ジャーナルで十分に読めるファクトを述べているので、勉強にはなるが、ことほど、だからそれらを「GPT」 なんぞと、大仰なジャーゴンを使って説明するほどの内容とは思えませんでした。 本書の要点は、「ITは、経営戦略や社会体制に付随する"おまけ"ではなく、 変革するイノベーションであるので、逆に、時代の変革を牽引する仕掛け、 (GPT)と理解すると、日本の将来への変革指針が見えてくる」ということ。 最後の「グーグル」の解剖の段になると、もはやどっかで読んだ内容に なっていて、しかも、尻切れトンボ。 技術史的観点からみた、IT産業の歴史の勉強や復習にはなりますので、 気軽に読むにはよい新書です。 日本のIT業界の現状および今後の方向性について鋭く指摘しています。 日本におけるITの歴史を具体例を上げ説明した上で、Googleを始めとして世界で起こっているIT変革に対し、なぜ日本が立ち遅れているのかを、「ここまで言って良いのか?」というぐらい具体的に書いている本でした。 私が普段感じていることが書かれており、読むとスッキリします。 見事にITの本質を切り出している これまでの野口悠紀雄氏の日本国内でのIT活用法に対する自説をまとめたものに、元アスキー編集長の遠藤諭氏の情報システムに対する見識を加えることで、野口氏の主張をより鋭角的に切り出した書籍。 この本での野口悠紀雄氏(及び遠藤諭氏)の主張は以下の3点である。 1.新しい情報通信技術であるITは、GPT(general-purpose technology:一般目的技術または汎用技術)であるために組織や社会の構造と密接な関係がある。ある種の社会組織は、ある種のGPTと不適合であり、社会組織の大きな変革がないと導入できない。 2.ITを組織の基幹的な情報システム、GPTとして捉えないと、問題の本質をとらえることができない。 3.日本経済の停滞の原因としてさまざまなことが指摘されているが、最も本質的な原因は、新しいGPTであるITの利益を日本が享受できないことである。したがって、これに関して基本的な転換がないと、日本経済の活性化を期待することはできない。 ITを電力・電気や内燃機関等のGPTと捉え、昨今の「WEB2.0、光ファイバー、携帯電話、mixi、Wii、電子マネー、GoogleこそがITである」といった世間の表面的な解釈から一線を画し、ITを「社会インフラをつかさどる汎用技術」と捉えている点は非常に共感できる。 要するに、ITは社会インフラなのであり、そのインフラ上にどういうサービスを構築するか、すなわちこれまで会社組織なり行政組織なりが持っていた事務フローを含めた文化を作りなおせるか否かが、ITの力を企業や国の力をあげる手段として享受できるか否かのポイントであるという主張であり、これはきわめて正しいと思う。 具体例として、米国と日本の電子政府の相違点を列挙し、米国政府では確定申告結果がWEBですぐに確認できる、あるいは統計情報がマクロからミクロに展開されており非常に探しやすいといった特徴があるのに対し、日本の電子政府は、総合窓口の検索結果が的外れであったり、各省庁別に情報が載せられているため、どこの省庁がどの情報を管理しているか知らないと検索に非常に時間がかかったり、官庁のWEBサービス検索を行った結果案内される内容が「近くの窓口へ」だったりと、ITの本質を見失っている日本政府の現状を端的に挙げている。 これは、各個人に社会保障番号(SSN)がきちんと割り振られている米国と、国民総背番号制がさっぱり始まらない日本とでは、システム的な本人認証を行う際の難易度に大きな違いがあるため同列では語れないと思うものの、結果的に役所・官庁内の事務フロー・事務体制は一切変えず、我々国民が電子政府のWEBという“日本流解釈のIT”でWEB上の窓口を探しまくった結果「近くの行政窓口へ」と結局窓口にリアルな世界で出向いて紙の書類に手書きしなくてはならない日本の現状とを端的に表現している。 一方、民間企業、例えば大手金融機関においても、日本国内企業の特徴である「紙と人」の事務に大ナタを振るえるか否かが事務効率を大きく改善できるか否かのポイントであり、それはとにかくお客様から最初に受領する情報が手書きの紙である限り、社内事務フローは変わらないのである。 金融機関に代表される企業が伝統的に持っている社内事務を、例えば ・対人での面接を基本とした本人認証業務を、IDとパスワード+イメージ化した法的根拠書類等に置き換える ・紙(契約書類、申込書等)を事務の起点とした事務フローを、紙の書類をなくすことで後工程をまったく違うものにする(情報システム上でのワークフローに変える) ・住所変更等の社内事務をWEB化してお客様本人に実施頂くことで、社内事務の一部を社外=お客様に代替いただく といった(日本企業にとっての)事務大改革が伴わない限り、IT本来の持つメリットを享受できないということは、私自身も経験しておりまったくその通りであると思う。 もちろん、日本企業が伝統的に持っている強みをすべて捨てて、IT+ITに適した業務に転換することが、日本企業を強くする手段であるとは思わない。 しかし、本書に書かれているITを汎用技術あるいは社会インフラとして捉え、その上に載っている業務改革こそがIT革命の本質という主張は極めて正論であり、そのことを日本企業なり日本政府が知って改善を進めることが、将来的に日本の一人当たりGDPを上昇させるための必要要素であると思う。 |
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